【越後純子(金沢大附属病院特任准教授、医学博士、弁護士)】
朝、軽い気持ちで病院での検査に送り出した家族が、帰らぬ人となってしまった場合、残された人はどのように感じるでしょうか? CTなどに使用される非イオン性ヨード造影剤によるアナフィラキシーショックは、機序も不明で重症化しやすいといわれています。今回は造影剤に関連したいくつかの裁判例を概観します。注目すべきは、造影剤のアナフィラキシーによる死亡によるものだけではなく、アレルギー体質の患者に造影剤を「使用しなかったこと」による所見の見逃しについても、損害賠償を認めた事例があることです。
(残り3586字 / 全3877字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】