【創造経営センターコンサルティング事業部 齋藤勝美】
ないない尽くしの病院組織で医師と並ぶ人的資源の両巨頭が看護師です。中小病院では、人事部門における仕事の大半が看護師採用に関連した事柄といっても、決して過言ではありません。
なぜ、採用活動に忙殺されるのか。その答えは簡単明瞭! 退職者が多いからです。だから、まず、今いる看護師を辞めさせないことが重要となります。
こうしたケースでは、経営層の方々から「欲しくて採用したわけじゃないよ。必要だから採用したんだ!」という声を聞きます。雇用される側に問題があったにせよ、こうした発言が口をついて出るようでは、前回ご紹介した、組織の三要素「コミュニケーション」「共通目標」「貢献意欲」が充足した、生き生きとした定着率の高い職場づくりは、夢のまた夢です。雇用する側がこう言ってしまっては、身もふたもありません。そこで質問です。「そうはおっしゃいますが、雇用した側の採用責任をどのようにお考えですか?」
結局、「必要だから採用した」とはいえ、退職者問題はイコール採用問題と言えましょう。いつまで同じ過ちを繰り返そうとしているのでしょうか。人事部門も採用活動に追いまくられて疲弊してしまい、単なる手続きとなってしまいます。採用責任を果たすためにも、根本的な改善に取り組みましょう。
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