【川越胃腸病院 総務部長・医療サービス対応事務局長 小川 卓】
昨年のロンドンオリンピックで、日本は24競技中13競技でメダル獲得という好成績に湧きましたが、その原動力の一つが、味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた競技種目を超えた選手交流といわれています。レスリング選手とバドミントン選手、体操選手と競泳選手・・・。以前はほとんどなかった異種競技同士の交流により、刺激し合い、学び合う価値の大きさを多くの代表選手が語っており、日本人メダリストのイキイキとした活躍と団結ぶりは、そんな選手同士のヨコのつながりが大きく貢献したようです。
今回はC:クロスファンクショナルチーム(Cross Functional Team)がテーマです。
何かをやる時、部署や職種、役職という枠組みを超えて動けば、相乗効果を含む成果が期待できる、ということです。
私たちは、全部門のスタッフが協調して、患者様が中心の全人的チーム医療に取り組むために、患者様からのさまざまなご意見・ご要望・クレームを漏れなく集めてきました。その情報を部門を超えて共有し、その「患者様の声」に対応する部門や委員会が改善を行い、さらに患者様にフィードバックできるシステムの創設を検討してきました。
1992年、患者情報の一元管理のための総合窓口として、また各部署間や委員会活動の組織横断的調整を行うコーディネーター役として、須藤秀一常務理事を中心に「医療サービス対応事務局」を設置しました。
事務局メンバーは、役員、診療部、看護部(病棟・外来)、放射線科、整備課、経営企画室、事務部から選抜された総勢12人です。活動開始から12年後の2004年には、「消費者志向組織」として経済産業大臣賞を受賞しました。
ここでは、多岐にわたる事務局の活動を「患者満足支援」「職員満足支援」「社会満足支援」という3つの満足支援に分けて説明します。
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