【手稲渓仁会病院 医療秘書課課長補佐、日本医師事務作業補助研究会 副理事長 南木由美】
手稲渓仁会病院は、札幌市の西端にある病床数562床の急性期総合病院です。
昨年、手術支援ロボット「ダビンチ」を北海道内で初めて導入するなど、最先端の技術を積極的に取り入れているほか、ドクターヘリを有する基幹病院でもあります。また、手術件数は2012年度に7740件(手術室外実施分を除く)で、全国トップレベルの実績を誇っています。
■25年前から医療秘書を導入
当院の医師事務作業補助の歴史は25年に及びます。
1987年に開院した当時、常勤医の数が少なく、常勤整形外科医は1人で外来、検査、手術、病棟のすべての業務をこなしている状況でした。そのような中、ある医師から事務を補助してくれる秘書を付けてほしいという要望があり、医療秘書(メディカルセクレタリー、以下MS)が配属されました。
前例のないことでしたので、導入当初は院内でも異質な存在だったようです。しかし、次第に他科の医師から「なぜ整形外科だけにMSがいるんだ」「うちの科にも入れてほしい」といった声が多く上がり、徐々にMSが増員され、業務内容も拡大し、現在では、▽臨床支援業務▽学術支援業務▽日常支援業務―を中心に行っています=図1=。
院内での組織の位置付けがあまり明確ではなかったころには、配属部署や担当の上司などがよく代わっていましたが、2003年には医事課内にメディカルセクレタリー部門を置き、医事課や医学情報室など所属先がばらばらだったMSが1つの部署に統合されました。昨年4月には、医事課から分離されて、医療秘書課が新設されました。
図1
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