政府が2007年に打ち立てた、12年度の後発医薬品の数量シェア30%以上とする目標に代わる、新たな目標の検討が今後本格化する。一方で、後発品と切っても切り離せない関係にある特許が切れた先発医薬品、いわゆる長期収載品については、後発品への切り替えが進まなかった場合に、薬価を特例的に引き下げる新ルールの導入が決まった。高齢化に伴い伸び続ける医療費の中で、「最もコントロールしやすい」と言われる薬剤費。その適正化に向けた新目標と新ルールの今後の行方を、2人の専門家に聞いた。
■学会提言、17年度末に英国並み目指す
後発品の新たな目標をめぐる議論に先立ち、中央社会保険医療協議会の薬価専門部会では、後発品の使用促進に大きく関係する長期収載品の薬価について、昨年6月から検討が行われた。
一連の議論の中間とりまとめでは、長期収載品の特例引き下げの新ルールのほか、後発品と長期収載品の価格差を容認することなどが盛り込まれた。また、後発品の新目標に関連して、シェアの指標を後発品の置換え率に変更。具体的には、医薬品全体の数量を分母に、後発品の数量を分子に取っていた方式から、後発医薬品のない先発品を分母から抜く方式に変えた。また、具体的な目標値については、「今の日本に近いフランス等の後発品置換え率が参考になるとの意見があった」と明記した。
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