中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は10月12日の総会で、2012年度診療報酬改定に向けて各論をめぐる議論をスタートさせた。この日は、地域医療貢献加算など、診療所や中小病院が算定する再診料に対する3つの加算について意見を交わした。厚生労働省側は、地域医療貢献加算の新設による影響として、病院勤務医の負担軽減に「限定的だが、一定の効果があった」との認識を示した。また診療側の委員からは、診療所単独による取り組みに加え、ほかの医療機関と連携して時間外に対応した場合の評価を求める意見が上がった。
地域医療貢献加算は診療所が算定対象。標榜している診療時間外に再診患者からの電話の問い合わせに対応し、必要に応じて診察したり、専門医を紹介したりすると再診料に3点を上乗せできる。診療所による夜間・休日対応を促し、病院の勤務医の負担軽減につなげる狙いで10年度に新設された。
同加算を届け出ている診療所の割合を都道府県別に見ると、最も高い石川で51.2%を占めているのに対し、最低の千葉では11.4%にとどまり、地域間格差が際立っている。算定割合の全国平均は22.5%だった。
中医協の診療報酬改定結果検証部会の調べでは、同加算が新設された10年4月以降、夜間や休日の問い合わせが「減った」と感じる病院は全体の7.6%だったのに対し、「あまり変わらない」は80.1%を占めた。ただ、届け出割合の上位10県では、問い合わせが減ったと感じる病院の割合が11.6%と比較的高く、厚労省側は同加算の新設により、「限定的だが一定の効果が見込まれた」との受け止め方を示した。
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