全国自治体病院協議会(全自病)の新たな会長に就任した望月泉氏は13日、定時総会と理事会後の記者会見で、医療水準の維持や向上のために欠かせない医師の研鑽を阻害するような「働き方改革」であってはならないと述べた。また、医師の時間外労働の上限規制が適用されたことで医療提供体制にどのような影響が出ているかを、夏から秋にかけて調査する方針も明らかにした。【松村秀士】
望月氏は、労働者とされている研修医には「学習者」としての側面もあるとして、成長に必要な研鑽や経験を研修医が積むことの重要性を強調した。その上で、医師の研鑽を妨げるような働き方改革になれば、結果的に医療提供の質の低下につながりかねないと懸念を示した。
医師の時間外労働の上限は4月から、休日労働を含めて原則として年960時間に規制されている。ただ、「B」「連携B」「C1」「C2」水準が適用された場合は年1,860時間に上限が緩和される。
医師の時間外労働の上限を医療機関が守るためには、研鑽と労働をどう線引きするかが大きな課題となっている。
■物価高騰支援、診療報酬に加え補助金・基金で
望月氏は会見で、物価高騰に伴う病院の負担増を診療報酬だけで賄い切ることはできないと指摘し、
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