民間最大級の病院グループ徳洲会では、離島などの病院で急性期病棟の一部を10月以降、2024年度の診療報酬改定で新設される「地域包括医療病棟」へ試験的に切り替える方向で検討している。【兼松昭夫】
移行を検討するのは、全国の76病院のうち急性期一般入院料4の基準を10月以降にクリアするのが困難な病院で、3月末の時点で2病院が候補に上がっているという。
鹿児島県内で離島医療をカバーしている病院が描くのは、3病棟のうち2病棟を急性期一般入院料4から入院料6に、残り1病棟を地域包括医療病棟入院料に切り替えるというプラン。
2月分の実績データ(単月)で行ったシミュレーションでは、急性期一般入院料6に3病棟全てを移行させると1カ月当たり150万円超の減収になるが、入院料6を2病棟、地域包括医療病棟入院料を1病棟の構成にすると、従来に比べて570万円ほどの増収を見込めることが分かった=表1=。
急性期一般入院料4のボーダーラインにある関西地方の病院でも、2病棟のうち1病棟を入院料6に、1病棟を地域包括医療病棟入院料に切り替えると542.6万円の増収を見込めるといい、10月に向けて、タイムリミットぎりぎりまでデータを見極めて病院側が最終判断する。
■急性期一般1は30病院のうち5病院が“赤信号”
一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)や入院期間の基準の見直しが急性期一般入院料1の30病院に及ぼす影響のシミュレーションも出そろった。
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