学校教育を受けた期間(教育歴)と死亡率とに関連があることが、国立がん研究センター(国がん)の研究結果で分かった。例えば、脳血管疾患の死亡率は大卒よりも高卒の人が、女性の乳がんは大卒の人のほうが、それぞれ高い。「教育歴が死亡率に関わる生活習慣や健康行動などを反映する指標の一つとなることが考えられる」(国がん)と話す。【渕本稔】
国がんは、国勢調査と人口動態調査の匿名データを突合させるデータリンケージにより、日本人の教育歴と死亡率との関連を初めて推計した。研究グループは、2010年の国勢調査から得た約800万人の人口データと、10年10月-15年9月の人口動態調査から得た約33万人の死亡データから、「性」、「生年月」、「住所(市区町村)」、「婚姻状況」、「配偶者の年齢」の5つの変数の組み合わせを個人識別情報(リンケージキー)とし、重複がなかった男性22万4,538人、女性10万1,286人(年齢30-79歳)を抽出。最終学歴が「大学以上卒業者」「高校卒業者」「中学卒業者」で分けた教育歴と死因別死亡率の関連を調査した。
その結果、女性の乳がんを除く、全ての死因で
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