2024年度の診療報酬改定で医療従事者の賃上げが行われることになったのを受けて、国立大学病院長会議の横手幸太郎会長は1日の記者会見で、国立大の附属病院がそれらに対応するには合わせて259億円以上が必要だとして財源が不足しているとの認識を示した。【兼松昭夫】
医療関係職種の賃上げに関して、国は診療報酬改定や賃上げ促進税制の活用などで24年度に2.5%、25年度に2.0%のベースアップを目指すとしている。
国立大附属病院全体での23年度の人件費の支出は総額で5,208億円程度になる見込みだといい、横手氏は、それをベースにすると、国が掲げるベア2.5%を24年度に行うには約130億円の財源が必要だとする試算の結果を示した。
一方、23年度の国立大附属病院の光熱費は、21年度に比べ約129億円増える見込みで、横手氏は、医療関係職種の賃上げと物価・光熱費の負担増への対応に259億円以上の財源が必要になると指摘した。
24年度の診療報酬改定で国は、看護職員や病院薬剤師など32職種の賃上げを24年度と25年度に実現させるため、外来・在宅と入院のベースアップ評価料を作り、若手勤務医(40歳未満)や事務職員のベアの原資として初診料と再診料、入院料も引き上げる。
さらに、食材費や光熱費の高騰を踏まえ入院時の食費の基準を引き上げることも決めた。
横手氏は会見で、
(残り361字 / 全934字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】