入院と外来医療の双方でドラスチックな見直しが行われる2024年度の診療報酬改定。中小病院にはどのような影響が及ぶのか。医療経営に詳しいコンサルタントや病院団体幹部のコメントをまとめた。【兼松昭夫】
■看護必要度10月から新しい基準に
24年度の診療報酬改定では、急性期の入院医療への評価を大幅に見直すことになった。
まず、看護配置「7対1」以上の手厚い体制などを評価する急性期一般入院料1では、入院期間(平均在院日数)の施設基準を12年ぶりに見直し、18日以内から「16日以内」に2日短縮する。
そして、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の測定で「重症」に該当する患者の受け入れ割合の基準は、
▽モニタリング・処置等の「A項目」が3点以上か手術など医学的状況の「C項目」が1点以上を20%以上
▽A項目2点以上かC項目1点以上を27%以上
-の2つが設定された。10月以降は、それら双方のクリアが求められる。
危険行動の有無やADLなど患者の状況を測定する「B項目」の評価は、急性期一般入院料1には反映させない。さらに、入院患者の重症度をDPCデータ(EF統合ファイル)で測定する看護必要度IIの利用を、許可病床200床未満を含む全病院に10月以降、原則拡大する。
一方、急性期一般入院料1だけでなく入院料2-5などにも適用する看護必要度の測定項目は、A項目とC項目を見直す。
ただ、急性期一般入院料2-5では「重症患者」の判定基準を、現在の
▽A項目2点以上・B項目3点以上
▽A項目3点以上
▽C項目1点以上
-のままにして、入院料ごとに設定されている受け入れ割合の基準は、軒並み引き下げる。新しい基準は10月から適用する。
看護必要度の見直しは、「個別改定項目」に盛り込まれた内容を整理すると表1のようになる。
C項目の対象手術の見直しに関しては、厚生労働省が1月10日、
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