日本病院薬剤師会(日病薬)は、「ポリファーマシー対策の進め方」を見直すとともに、関連の手順書を公表した。医師や薬剤師、看護師のほか、必要に応じてリハビリ専門職といった多職種が連携し、患者の状態に合わせた対策を行う重要性を強調している。【松村秀士】
ポリファーマシーは、多剤投与のうち、有害事象の発生リスクの増加や服薬アドヒアランスの低下、服薬過誤などにつながる状態のこと。複数の疾患を抱え、多剤投与になりやすい高齢者への対策が特に求められている。
手順書には、▽情報の収集と共有▽処方内容の見直しの検討と評価▽見直し後の観察と再評価▽退院時の情報連携-の方法を記載している。
具体的には、医師や薬剤師は必要に応じて診療情報提供書やお薬手帳、薬剤管理サマリーなどを参照し、患者の服用薬を確認する。また、関連のガイドラインも踏まえて特に慎重な投与を要する薬剤の確認を行う。
さらに、服薬状況や薬物関連の有害事象、減薬の意向を患者や家族らに確認し、必要に応じて他の医療機関や薬局と連携して薬物療法に係る情報を集める。
■有害事象のリスク、多職種で共有を
医師は、薬剤師や看護師らと連携して処方内容を総合的に評価する。その後、生活習慣の改善やケアの工夫といった「非薬物療法」を考慮した上で、▽適切な用量への変更▽有害事象との因果関係が疑われる薬剤の中止▽より有効性・安全性の高い代替薬への変更-などを検討。多職種間で薬物療法での有害事象のリスクを共有する。
処方内容の見直しが必要な場合、
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