【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■B項目は廃止されるのか
一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)に関する中央社会保険医療協議会での議論で、「B項目」の廃止論が出てきた。10月5日の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」では、廃止論と慎重論があったことをCBnewsマネジメントでも報じていた(看護必要度「B項目」に廃止論 )。翌週10月12日の分科会のとりまとめ(案)=資料=では、B項目について黒丸の4つ目までが状況説明、5つ目から7つ目が指摘事項のまとめになっている。
この黒丸5つ目から7つ目の指摘事項を素直に読めば、看護必要度の評価からB項目を除外し、一方で、ADL維持向上等体制加算や、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算の評価アップなどを検討することが想定される。 (残り1407字 / 全2268字) 次回配信は11月1日5:00を予定しています
■B項目を廃止するなら、各入院料でのハードルの見直しは必須
B項目の廃止の影響について考えるため、看護必要度の該当患者割合の入院経過日数による推移を見た=グラフ1=。中医協の資料では「A得点2点以上かつB得点3点以上」を基準1、「A得点3点以上」を基準2、「C得点1点以上」を基準3と呼んでいるため、それらに合わせて、基準1に該当する患者割合と、基準2と基準3に該当せず基準1にのみ該当する患者割合の推移を示した。
基準1の該当患者割合は、救急搬送や手術等の影響で入院初期が高く、6日目に大幅に低下する。仮にB項目を廃止するならば、この基準1の該当患者は、看護必要度の要件を満たさないことになる。ただし、基準2や基準3を満たしている患者は影響がない。そこで基準1にのみ該当する患者の割合の推移を見ると、1日目から5日目まで徐々に上昇する。これは、救急医療管理加算でA2点以上かつB3点以上を得ている患者において、入院から日数が経過するにつれて病態が落ち着き、A3点を満たさない患者が増えるためである。また、6日目以降は、基準1に該当する患者がそもそも多くないものの、基準1のみの患者はじわじわ増えてくる。
現行制度である
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