何者かによるサイバー攻撃の被害を受けて一時、機能不全に追い込まれた大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)は28日、院内の調査委員会がまとめた報告書を公表した。被害額は現在精査中だが、調査・復旧費用に数億円以上掛かったほか、外来や救急患者の受け入れの停止、予定手術の中止などに伴う逸失利益が十数億円以上になると見込んでいる。サーバーや端末ごとのパスワードに全て共通のものが使用されるなど、技術的なインシデントの発生要因も明らかになった。【松村秀士】
■初診患者数が5分の1以上も減少
サイバー攻撃は2022年10月末にあり、同センターでは電子カルテシステムがダウン。その直後の22 年 11 月の新規入院患者数は558人で、前年同月と比べ3分の1に減少した。延べ入院患者は半分弱となり、初診患者は5分の1以上も減った。
報告書によると、今回のインシデントの発生事案で同センターには「組織」「人」「技術」ごとにさまざまな要因があった。
組織的な要因として、
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