看護の賃上げにつなげる診療報酬の新たな仕組みの検討に役立てるため、厚生労働省は、実際に点数を作ることを想定し、8パターンのシミュレーションを行った。それによると、全部門の看護職員の賃金を引き上げるため、100通りの点数を設定して入院料に上乗せするなど2つのパターンでは賃上げに必要な財源との過不足が少ないことが分かった。ただ、このパターンで対応しても財源を賄い切れない病院があり、引き続き対応を検討する。【兼松昭夫】
写真はイメージ
シミュレーションは、どの看護職員を賃上げの対象にするか、初・再診料(外来診療料)と入院料のうちどれに上乗せするか、点数設定を5通りにするか100通りにするかで厚労省が計8パターンを実施。中央社会保険医療協議会の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に10日、結果を報告した。
それによると、▽全部門の看護職員の賃金を引き上げるため、100通りの点数を設定して入院料に上乗せ▽「外来部門」と「外来部門以外(病棟・手術室・その他)」の看護職員の賃金を引き上げるため、15通りの点数を初・再診料(外来診療料)に、100通りの点数を入院料に上乗せ-の2つのパターンで賃上げに必要な財源との過不足が少なかった。
ただ、最初のパターンだと60病院では賃上げの財源を賄い切れず、
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