厚生労働省の「ワクチンの流通情報の基盤整備に向けた検討会」は19日、定期接種ワクチンについて、卸売販売業者から医療機関へのワクチン納入実績などを集約する民間事業者のデータを、偏在・不足解消に向けたモニタリングに活用することで一致した。また、モニタリングしたデータを一般公開する方向で検討を進める。【齋藤栄子】
2021年12月20日の第1回の会合では、▽医療機関によるワクチンの接種実績を市町村が把握できるまで1、2カ月かかる▽接種した履歴が全ての施設で把握できていれば納入と接種の差から在庫が割り出せるが、ワクチンは薬価請求する仕組みになっていないため、医療機関で完全にデータ化されていない▽電子カルテの普及率から短期的に全てを電子的に把握することは難しい▽卸やワクチンメーカー各社が管理している方法やコードが違うため、データの統合には既存システムの改修などかなりのコストが生じる-などの意見があった。
また、ワクチンの供給量が一般に公表されることで国民が安心感を得られるとする一方で、全ての情報が公表されると、限られた医療機関に人が殺到するような混乱が想定されるなどの意見があった。
19日の第2回会合では、医薬品納入実績などを集約して、データの統合・加工を生業とするエンサイス株式会社、IQVIAソリューションズジャパン株式会社といった民間事業者のデータを活用してモニタリングする案が、厚労省から示された。卸から医療機関への、ワクチンの納入実績の実数と対前年度同期比をモニタリングの指標に設定する考えで、2社のデータを使用したワクチン供給量の推移について、厚労省が集計のサンプルを示した。
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