2024年には医師の時間外労働の上限が罰則付きで規制される。働き方改革は待ったなしの状態だ。そこで、時間外労働を圧縮する役割を担う職種として注目されている医師事務作業補助者。この職種を長年、研究している、東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科の瀬戸僚馬教授に、現状と課題を聞いた。【川畑悟史】
東京医療保健大学の瀬戸教授
-医師事務作業補助者の現状について教えてください。
08年から診療報酬制度で定義されてから、医師事務作業補助者は順調に増えており、現在では3万人を超えている。最初に大変危惧していたのは、診療報酬制度の中に乗っかった職種であることから、いずれ消えてしまわないか、ということだった。診療報酬の歴史を見ると、掛けたはしごを使わなくなることも多く、同様の歴史をたどる恐れもあると思っていた。13年が経ち、今更職種として消えるという心配はなくなった。医療界の中の職種の1つとして確立できたという点では、第1段階の成長はできた。今は第2段階に入っている。
-第2段階とは。
医療界で仕事をする上で、資格が重い存在となっており、資格と職種がほぼイコールだ。看護師ならば看護師免許を持っているし、医師ならば医師免許を持っている。ところが、医師事務作業補助者は、医療界の中で職種としては確立されたが、免許も資格もないことから、医療界での立ち位置としてぐらつきやすい。
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