地球温暖化が進み、国内でも大規模な自然災害が激甚化、頻発化している。地域住民の生命を守る病院が被災し、機能停止してしまったら、医療崩壊は必至だ。そうならないためのリスクマネジメントの1つとして重視される事業継続計画(BCP)。新型コロナウイルスという新たな感染症も加わり、医療機関でのBCP への関心はさらに高まりつつある。一方で、実際に策定している医療機関は全国で3割にも満たないというのが実態だ。どうすれば普及するのか-。医療関係者や識者へのインタビュー、事例などの取材を通じて医療機関におけるBCPの課題や役割、必要性を伝えていく。【川畑悟史】(随時掲載)
千葉県の順天堂大学医学部附属浦安病院へ入院した新型コロナウイルス感染症の陽性者数はピーク時で1日50人を超えた。しかし、これまでに院内でクラスターが発生しても院内隔離処置で対応できている。「院内で早々に設けた新型コロナウイルス感染対策本部を軸に、早期に適切な対応が取れていることが大きい」と同病院事務部の川島徹事務部長は話す。
BCPでパンデミックを想定していたため順天堂大学医学部附属浦安病院は迅速に「新型コロナウイルス感染対策本部」を立ち上げることができた(写真は同病院提供)
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