厚生労働省健康局健康課予防接種室は22日、新型コロナワクチン接種で16日までに延べ接種回数約2,332万件のうち、139件の間違いがあったとの報告をまとめ、各都道府県などに宛てて、間違いの防止についての事務連絡を出した。誤った用法用量で接種したなど、健康被害につながるおそれのある「重大な間違い」としての報告は70件あった。【齋藤栄子】
間違いの詳細は、接種間隔の間違いが31件、血液感染を起こし得る間違いが23件、不必要な接種および接種量の間違いがそれぞれ13件など。
他の対象者に使用した注射器を別の対象者に使用した事例では、同じテーブルに、未使用のワクチンが充填された注射器6人分が入ったトレイと、使用後の注射器を入れるトレイを近接して配置したが、接種実施者は廃棄担当者が針刺ししないよう使用後の注射器をリキャップし、誤って未使用のトレイに置いた。接種実施者は、未使用のトレイに置かれた使用後の注射器を手に取り、シリンジ内にワクチンが充填されていないことを確認せずに、空の注射器を別の被接種者に穿刺した。
厚労省はこの事例について、使用後の注射器が1本ずつ針捨て容器に廃棄されず、接種実施者の手の届く所にあることや、キャップが付いているものは未使用という思い込みがあることなど、間違いの背景を指摘している。
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