厚生労働省は、医・歯学部を併設する大学が歯学部の入学定員を減らした場合に医学部の臨時定員の増加を認める「歯学部振り替え枠」について廃止期限を延長せず、2023年度から廃止することを、関連する検討会の分科会に提案した。この枠組みの役割がある程度果たされたためで、こうした方向性に反対意見は出なかった。議論では、課題となっている医師の診療科偏在を解消するため、国を挙げて総合診療医を養成していくべきだとの声が上がった。【松村秀士】
廃止案が示されたのは、4日に開かれた「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会。同省はこの日、現状では全体の医師養成数は増加している一方、医師の地域・診療科偏在を是正することが大きな課題になっていると説明した。その上で、歯学部振り替え枠に期待された役割が一定程度果たされたため、これを廃止するとともに、地域医療や社会のニーズへの対応の在り方を検討することを提案した。
■踏み込んだ偏在対策の検討を求める声
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