福祉医療機構が9日に公表した、2019年度の通所介護事業所の経営状況分析では、個別機能訓練加算Iを算定している地域密着型の経営が厳しかったことや、大規模型(II)で個別機能訓練加算IIを算定する施設と、それ以外での経営状況の違いなどが分かった。【齋藤栄子】
調査対象の事業所規模別施設数は、地域密着型(定員18人以下)768、通常規模型(定員19人以上で前年度1月当たり延べ利用者数750人以内)3,021、大規模型(I)(同延べ利用者数751人以上900人以内)229、大規模型(II)(同延べ利用者数901人以上)154。
これらの事業規模区分の、事業の収益性を示す指標となる「サービス活動収益対サービス活動増減差額比率」(以下、サービス活動増減差額比率)は、地域密着型が3.5%で最も低く、次いで通常規模型が4.3%、大規模型(I)が10.1%、大規模型(II)が11.0%の順。経常赤字の割合は、大規模型が約20%であるのに対し、地域密着型は41.8%と、規模が小さくなるほど拡大する傾向で、特定処遇改善加算の算定率も大規模型は90%を超えたのに対し、地域密着型は81.1%だった。
黒字・赤字施設別で比較してみると、大規模型(II)の赤字施設の従事者数は黒字施設よりも多い状況で、ADL維持等加算IIの取得率などが高いことから、充実した体制で個別・小集団での機能訓練やADLの定期的な評価などの取り組みを行っていることがうかがえる。
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