介護報酬による評価の配分を「適正化・重点化」する観点から、4月の改定では要支援者に対するリハビリテーションの評価が複数のサービスで見直される。訪問看護ステーションのリハビリセラピストによるサービス提供では、基本報酬の引き下げに加え、要支援者に1日3回以上サービスを提供する場合の減算幅が50%に拡大される。18日の社会保障審議会・介護給付費分科会で示され、了承された。厚生労働省はこれまでに、要支援者などの介護予防ニーズを賄うサービスとして市町村の総合事業を示しており、その着実な整備や実態把握が急がれる。【吉木ちひろ】
2021年度の介護報酬改定では、基本的に全てのサービスの基本報酬が引き上げられる。その一方で、介護保険サービスの「評価の適正化・重点化」は業界内外からの注目度合いが年々高まっているテーマだ。
訪問看護を巡っては18年度に続き、21年度介護報酬改定においても、医療ニーズの高い利用者や在宅での看取りといった機能の強化を主眼に置いて検討が行われてきた。改定後の基本報酬は、「20分未満」の区分が312単位から313単位に、「30分未満」の区分が469単位から470単位になるなど微増で決着した(訪問看護ステーションの場合)。
出典:第199回社会保障審議会介護給付費分科会資料(以下同様)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000724329.pdf
ただし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるサービス提供は「ほかの介護サービス等との役割分担」を踏まえるなどといった観点から、要介護者を対象とした場合(297単位から293単位へ改定)、要支援者を対象とした場合(287単位から283単位へ改定)とも引き下げられる。医療機関などによる訪問リハビリテーションの基本報酬は要支援・要介護者とも307単位に引き上げられるため、報酬上の評価は逆転する格好だ。対象者についても、訪問リハに合わせて「通所リハビリテーションのみでは家屋内におけるADLの自立が困難である場合」という要件が加わる。
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