社会保障審議会・医療保険部会は、23日に了承した「議論の整理」案で、薬剤の自己負担の見直しに関する結論を出さなかったが、引き続き検討すべき課題だと明記した。【松村秀士】
このテーマについて、部会では、▽市販品類似薬の保険給付の在り方▽自己負担の引き上げ以外の薬剤給付の適正化策(セルフメディケーションの推進)-などを論点に話し合った。
市販品類似薬の保険給付については、「諸外国の例も参考にしつつ、十分な財政効果が得られるような見直しを図っていくべきではないか」との意見が出た一方、「財政問題だけで保険適用を見直すことは適当ではないのではないか」といった慎重な意見もあった。
また、自己負担の引き上げ以外の薬剤給付の適正化策に関しては、「後発医薬品の利用促進やセルフメディケーション税制の拡充、生活習慣病の治療薬の在り方なども検討すべき」「OTC医薬品全般の使用を進めるという観点で、セルフメディケーションの推進に取り組むべき」との声が上がった。
これらを踏まえ、部会は「議論の整理」案で、医療資源を効率的に活用するために「上手な医療のかかり方」と「セルフメディケーションの推進策」に取り組むべきだと指摘。薬剤の自己負担の見直しにまでは踏み込まなかった。
■今後も医療保険部会で議論
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