政府が15日の臨時閣議で決定した「全世代型社会保障検討会議」の最終報告には、後期高齢者の医療費窓口負担の見直しなど、医療関連の改革項目が複数盛り込まれている。関係の審議会などでの議論を交えながら、その内容をまとめた。【松村秀士】
最終報告での医療機関にかかわる主な改革項目は、▽後期高齢者(75歳以上)の医療費窓口負担の見直し▽紹介状なしで大病院を受診した患者から一定額を追加で徴収する責務のある病院の対象範囲の拡大、徴収額の引き上げ▽不妊治療への保険適用と現行の助成対象の拡大-の3つ。
このうち、最大の焦点だった後期高齢者の医療費窓口負担の見直しについては、現役並みの所得者を除き、「課税所得28万円以上、および単身の年金年収200万円以上(複数世帯では年収合計320万円以上)」の75歳以上を対象に、窓口負担を現在の1割から2割へ引き上げる。
所得が一定程度ある後期高齢者に可能な範囲で負担してもらうことで、現役世代の保険料負担の上昇を少しでも減らすのが狙い。
全ての後期高齢者のうち、2割負担の対象者数は所得上位30%の約370万人。施行時期は、2022年度後半で政令により定める。
また、負担割合の引き上げによる影響が大きい外来患者(長期頻回受診者など)に関して経過措置を導入。施行後3年間、1カ月分の負担増が最大3,000円に収まるようにする。
■所得基準、厚労省が5案を提示
負担割合の見直しを巡っては、社会保障審議会・医療保険部会でも、何度も議論されている。そこでは、保険者側の委員が、高額療養費制度での一般区分に該当する約945万人(75歳以上の約52%)を対象に2割負担の導入を主張。
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