年末にかけて本格化する2021年度政府予算案の編成をにらんで財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は25日、介護報酬のプラス改定の見送りを求める提言(秋の建議)をまとめた。新型コロナウイルス感染症が国民の生活にもたらしている影響を踏まえれば、同年4月から負担増を生じさせる環境にはないと指摘している。その上で、情報通信技術(ICT)の推進による運営の効率化や、根拠に基づく報酬のめりはり付けを求めた。【兼松昭夫】
一方、介護事業者の「収支差」には感染拡大が大きな影響を及ぼしていないとの見方を示した。
厚生労働省の調査で、▽感染の拡大で一時的な利用控えが見られたものの、6月以降は状況が改善▽人件費への影響はないとする事業者が多い-などの傾向が明らかになったためで、感染症対策に伴う一時的な現象への対応に恒久的な負担増をもたらすことは「適切ではない」としている。
その上で、ICTのほか介護ロボットの導入促進による運営の効率化や、政策目的を達成した加算の整理統合など介護報酬体系の根拠に基づく見直しなどを提言した。
21年度の介護報酬改定を巡っては、全国老人保健施設協会など介護系の4団体が18 日、新型コロナの影響で経営難の介護保険施設や事業所が多いとして、プラス改定を求める要望書を菅義偉首相らに提出している。
提言は、財政審の榊原定征会長(東レ元社長)が
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