中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は25日、中間年の薬価改定として初の2021年度薬価改定について、業界ヒアリングを行った。日本製薬団体連合会は、中間年改定の在り方として、「対象範囲は乖離率が著しく大きい品目とすべき」などとした上で、21年度改定については医療機関や薬局への影響を勘案して「慎重に検討すべき」とした。日本医薬品卸売業連合会は、24日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」への提出資料で、20年度上期の価格交渉は「例年と全く異なる状況」と説明した。【ライター 設楽幸雄】
21年度薬価改定については、日薬連は「慎重な検討」を求めるにとどめた。また、卸連は独禁法違反の疑いで公正取引委員会と東京地検の捜索を受けたことから出席を見合わせて、流改懇提出資料を提出したのみで、21年度薬価改定への意見表明を控えた。
質疑では診療側も、コロナ下での医療機関や薬局の状況を踏まえて日薬連と卸連の説明に理解を示し、21年度薬価改定は、医薬品取引自体が「通常の取引ではなかった」とする業界の意見も踏まえて、「慎重な検討が必要」との姿勢にとどめた。
コロナによる影響は医療関連だけでなく、他の業界でも多大な影響を受けている所が多く、その中で、薬価改定に配慮するというのではなく、医療界も国民の負担の軽減に協力すべきとの支払側の発言に対しても、日本医師会副会長の今村聡委員は、「医療者は自らのリスクの中で医療提供という協力をしている。その苦労の上に、薬価改定という負担を負うことについて、配慮をお願いしている」との反論にとどめた。
(残り952字 / 全1613字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】