厚生労働省の初代医務技監として新型コロナウイルスの感染対策に当たり、8月に退職した鈴木康裕氏(同省顧問)が21日、栃木県内で講演し、医療体制の整備は、数年置きに起きる新興感染症のパンデミックを前提に進める必要があるという認識を示した。これは、1997年以降の高病原性鳥インフルエンザや2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、09年の新型インフルエンザなどの世界的な拡大を踏まえた発言。【兼松昭夫】
鈴木氏はこの日、日本医療法人協会の「全国医療法人経営セミナー」で講演。その中で、「20年余りの間に世界的な感染症が5つ起きている。4年か5年に一回、われわれはこういう感染症に見舞われている」と述べ、医療だけでなく経済関連などの政策もそれを前提に進める必要性を指摘した。
また、講演後の質疑では「地域医療計画を考える際、(医療機関の集約化など)効率化一辺倒では、今回のような何かの時に対応できない」などと、ある程度の余力を確保して医療提供体制を整備する必要があるという見方を示した。
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