日本老年医学会は4日、新型コロナウイルス感染症の流行期において、高齢者が「最善の医療およびケア」を受けるための提言を公表した。感染症においては、急激に症状が悪化して病院搬送される場合などがあり、医療現場では本人、医療者、家族等との十分な話し合いをする余裕もないため、早めの意思決定が必要だとしている。【齋藤栄子】
提言では、新型コロナウイルス感染症による高齢者の致死率は高く、介護施設や病院のクラスター発生など、予期せぬ感染で患者本人の意向を確かめることもできず、家族に見守られることもままならず、多くの高齢者が最期を迎えざるを得なかったことは「極めて残念」だとしている。
また、欧米の例では、人工呼吸器を若い人に優先して使う施設があるなど、感染症が急速に拡大する中で高齢者に医療が十分施されたか「疑問が生じる」ため、致死率との関連を含めて検証が必要だとし、感染症の流行期においても、高齢者が可能な限り自分の希望する「最善の医療およびケア」を受けることができる権利の保障をすべきだと主張した。
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