中央社会保険医療協議会は10日、薬価専門部会と総会で、2021年度の中間年薬価改定とそれに向けた20年度の薬価調査について、業界ヒアリングを行い、議論した。「薬価調査を実施できる状況にない」との意見に対し、診療側は全ての委員が同意。支払側は、状況は理解しながらも、実施を目指して検討すべきと主張し、対立する場面もあった。調査実施方法で厚生労働省が提示している論点については、診療側も次回以降の議論になるとした。【ライター 設楽幸雄】
薬価専門部会では、業界の意見に対し、日本医師会常任理事の松本吉郎委員が「薬価調査を実施しても適正な価格の把握は困難ということか」と質問。日本医薬品卸売業連合会も日本製薬団体連合会も「その通り」と答えると、松本委員は「尊重すべき意見」として、業界の意見に全面的に同意した。
一方、健康保険組合連合会理事の幸野庄司委員は、16年の4大臣合意に基づく薬価制度抜本改革で中間年薬価調査と改定が組み込まれ、その方針が変わっていない中で、中医協としては、どう調査していくかを検討する役割があるのではと質問。
厚労省は、「そのような認識」だとし、「調査を実施するかについては意見をいただいた」としながらも、6月中旬ごろまでには調査の内容についての準備を進める必要があるとした。総務省による統計調査としての承認手続きなどがあるためだ。
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