厚生労働省は9日、10日に開催する中央社会保険医療協議会の薬価専門部会と総会の資料を公表した。中間年薬価調査・薬価改定について業界ヒアリングを行う薬価専門部会では、日本医薬品卸売業連合会と日本製薬団体連合会などが、新型コロナウイルス感染症の第2波も想定される中で「調査を実施できる状況にない」と訴え、その後の総会に、薬価専門部会の結果が報告される。また、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は同日、薬価調査見送りをテーマに合同記者会見を予定している。【ライター 設楽幸雄】
厚労省が9日公表した10日開催予定の中医協資料では、医薬品卸連と、日薬連、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の意見陳述の内容が明らかにされた。
医薬品卸連は、新型コロナウイルス感染症下の医薬品流通について、▽医療機関・保険薬局からの要請により営業活動を自粛し配送業務に特化した活動にシフトしている▽輪番制などスタッフの勤務体制を変更し配送回数を減らすなどにより対応している-などと説明。
その上で、「単品単価契約や早期妥結などを推進し、調査が適切に実施される環境整備が図られていることを前提として決定された中間年の薬価調査」であるのに対し、▽コロナの影響で、価格交渉の状況が通常とは大きく異なっており、中間年の薬価調査の環境整備どころではない▽例年通りの価格交渉が困難なため、妥結が9月に集中すると予想され、卸にとって、薬価調査は従来以上に過大な負担となる▽第2波、第3波が発生した場合には、MSは医薬品の安定供給を最優先に取り組む必要があり、薬価調査に対応できなくなりかねない-などと訴える。
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