社会保障改革に対する骨太方針の位置付けが大きく変わりそうだ。骨太2020に向けた民間議員提案は、新型コロナ感染症への対応を進める観点から、「強靭で柔軟、安心できる社会保障」となり、これまでのキーワード「適正化・効率化」の言葉は消えた。医療提供体制では、オンライン診療や電子カルテの普及推進が重要テーマだ。西村康稔・経済再生担当相は、次回の経済財政諮問会議に、骨太方針の骨子案を提示する。【ライター 設楽幸雄】
民間議員提案を説明した中西宏明氏(日立製作所会長、経団連会長)は5月29日の諮問会議で、新型コロナ対策の中で「日本の医療システムの良さと問題点が両方出てきた。当事者、医療関係者の両方で共通の認識ができているので、全世代型社会保障改革の中でもしっかりフィードバックして改革を進めていくべき」との考えを示した。
提出資料では、その内容を「新型感染症は、平時と緊急対応の医療体制のシフティング、自治体間の連携と保健所等の機能分担、緊急の医薬品の承認システム、リスクコミュニケーションなどの面で、幅広く問題が提起された」と記載している。
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