慶応大大学院の堀田聰子教授らによる調査によると、災害の発生や感染症の拡大が懸念される場合に備えた業務継続計画(BCP)の策定状況について、介護事業者2,091法人のうち46.7%が「未策定」だった。策定済みや策定中の法人であっても、「感染症に十分に対応」している法人は14.7%にとどまった。ただ、感染拡大防止・予防は「正確な情報に基づいて初めて可能になる」として、地域内での感染者発生状況の共有を望む声も多いという。【吉木ちひろ】
一般社団法人人とまちづくり研究所は、5月12日ごろから22日まで実施した、「新型コロナウイルス感染症が介護保険サービス事業所・職員・利用者等に及ぼす影響と現場での取組みに関する緊急調査【法人調査】」の報告書を2日に公表。調査には、全国老人福祉施設協議会、日本慢性期医療協会、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会、日本認知症グループホーム協会、高齢者住宅協会など13の業界団体が協力し、2,091法人が回答した。
回答者の内訳は、法人規模では「100-299人」が37.0%、「50-99人」22.7%、「49人以下」17.7%、「500人以上」13.1%など。実施している事業(介護保険サービス)では、「居宅介護支援」(65.6%)、「通所介護」(59.5%)、「短期入所生活介護」(50.1%)、「訪問介護」(47.0%)、「介護老人福祉施設」(46.6%)などが上位。
4月末時点で新型コロナの影響を受けて「新規利用の受入中止」をした事業所がある法人は全体の30.8%、「休業」は7.9%、「事業縮小」は19.8%、「廃止」は0.4%で、「いずれもなし」が60.5%だった(複数回答)。
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