厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発プロセスの大幅な短縮を図り、日本医療研究開発機構(AMED)の支援で国内開発中のワクチンなどについて、2021年前半の接種開始を目指す。20年度第2次補正予算案で「ワクチン開発加速並行プラン」に500億円を計上、さらに生産体制を早期に整備するための緊急整備基金など1,455億円を組み込んだ。【ライター 設楽幸雄】
新型コロナの治療薬とワクチンの早期開発が待たれている中、治療薬はレムデシビルが日本でも承認されたが、ワクチンはAMEDの支援により5種類の開発が進行中で、まだ動物試験、あるいはそれ以前の段階。
ヒトでの安全性や有効性を見る臨床試験は、早いものでも7月から、あるいは9月からという状況だ。
ワクチンなど新薬開発には、候補物質の探索などの基礎研究を経て、特定した候補物質の有効性や安全性を確かめる動物試験を行い、その結果を踏まえて、ヒトでの安全性と有効性を確認する臨床試験へと進む。
また、臨床試験は、健常人を対象に安全性を確認する第1相試験、その結果を踏まえ、患者を対象に用量依存的な有効性を確認し用量設定まで行う第2相試験、さらに、その効果を検証するためプラセボと比較する二重盲検比較試験の第3相試験を行い、その結果として有用性が確認された場合に、新薬として承認申請する。
これら、基礎研究、動物試験、臨床試験のそれぞれに数年を要するのが通常だ。
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