新型コロナウイルスの感染が都市部などで急速に拡大した4月に病院の経営が悪化していたことが、日本病院会など3団体の調査結果(速報)で明らかになった。院内感染のリスクを避けるため、外来・入院患者や手術の件数が大幅に減少したためとみられ、感染者を受け入れたり、感染拡大の影響で一時的に病棟を閉鎖したりした病院の減収幅が特に大きかった。3団体では、このままだと地域の医療崩壊が強く危惧されるとして緊急的な助成の必要性を訴えている。【兼松昭夫】
調査は、日病のほか全日本病院協会、日本医療法人協会に加盟している全4,332病院を対象に7日から15日にかけて実施。15日の時点で有効回答があった1,141病院のうち、4月分の収支を把握できている1,049病院の回答を新型コロナの感染者の受け入れの有無別などに集計した(有効回答率26.3%)。
その結果、1,049病院の全体では4月の医業収入が前年同月比で平均10.5%減少していた。内訳は入院診療の収入が8.9%、外来が11.5%、「その他医業収入」が22.8%のいずれもマイナス。一方、新型コロナの感染者を受け入れている269病院では12.7%、スタッフの感染疑いなどで一時的に病棟を閉鎖した146病院では14.9%の共に減収だった。
4月16日に「特定警戒都道府県」に指定された13都道府県にある589病院の減収幅は12.5%、うち14日以降も指定されている8都道府県の413病院では13.8%と高かった。
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