新薬18成分28品目を20日付で薬価収載することが、13日の中央社会保険医療協議会・総会で了承された。再生医療等製品のゾルゲンスマと同時収載となる。高額な新薬は、DPC点数の中で84パーセンタイル値を上回る場合、包括評価の対象外としているが、1億6,700万円となったゾルゲンスマは、ヌシネルセンを比較薬として算定されたため、「運動ニューロン疾患等」のヌシネルセン分岐に含まれるものとされた。ヌシネルセン分岐は包括評価になっていないため、出来高算定となる。【ライター 設楽幸雄】
新薬18成分の薬価算定は、基本である類似薬効比較方式Iが7成分、類似薬効の既存品が3成分以上あるため低い算定となる類似薬効比較方式IIが2成分。また、類似薬がなく原価計算となったのは5成分、ほかに新医療用配合剤の特例3成分、別銘柄として算定しないもの1成分となった。
有効性や安全性が優れているとして有用性加算が付いたのは、類似薬効比較方式Iの7成分中4成分、原価計算5成分のうち3成分だった。
新薬創出加算の対象は、有用性加算が算定された7成分と、希少疾病用医薬品の3成分の合計10成分となった。
有用性加算で最も高い加算が付いたのは、ステラファーマの頭頚部がん薬「ステボロニン点滴静注バッグ」(ボロファラン)で、原価計算による算定の上で35%が加算された。ホウ素中性子捕捉療法に使用される薬剤だが、ステボロニンを使用することで治療が1回で完了することが高く評価された。先駆け審査指定制度加算10%も算定された。
ピーク時予測は、10年度で患者数2.2千人、販売金額29億円。
第一三共が今後の有力品と位置付ける乳がん薬「エンハーツ点滴静注用」(トラスツズマブ デルクステカン)は、中外製薬のカドサイラ(トラスツズマブ エムタンシン)を最類似薬とし、有用性加算5%が算定された。
トラスツズマブ エムタンシンの治療歴のある患者に対して奏功が認められたため「治療方法の改善が示されている」と評価された。ただ、延命効果の評価は困難とし、加算率は5%にとどめられた。
ピーク時予測は、8年度で患者数1.3千人、販売金額は129億円。ピーク時金額が100億円以上のため、費用対効果評価の対象となった。
【訂正】
主見出し「ゾルゲンスマはDPC包括」を「ゾルゲンスマはDPC包括除外」に訂正し、本文1パラ目の最後に「ヌシネルセン分岐は包括評価になっていないため、出来高算定となる。」を追加しました。
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