中央社会保険医療協議会は13日、オンラインで総会を開催し、指定難病の脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子補充療法再生医療等製品として、ノバルティスの「ゾルゲンスマ点滴静注」(オナセムノゲン アベパルボベク)の薬価収載を了承した。5月20日付で、薬価は1患者当たり1億6,707万7,222円。市場規模予測は、ピーク時2年度の患者数25人、販売金額42億円。指定難病用だが、高額なため費用対効果評価(HTA)の対象とした。委員からは、同評価で薬価引き上げとするのは避けるべきとの意見が複数あった。【ライター 設楽幸雄】
脊髄性筋萎縮症は、I型からIV型まであり、I型は1歳までに呼吸筋の低下による呼吸不全が起き、人工呼吸器なしではほぼ2歳までに死亡する。II型は呼吸器感染、無気肺による呼吸不全が予後を左右する。III型とIV型は、歩行可能状態の維持のため理学療法や装具の使用の検討が必要だが、生命的な予後は良好とされる。
海外でI型患者15例を対象に実施した試験で、主要評価項目「出生から永続的な呼吸補助が必要となるまたは死亡までの期間」について、全患者が13.6カ月齢に達した時点、またゾルゲンスマ投与後24カ月のフォローアップを完了した時点のいずれも、永続的な呼吸補助を必要とせずに生存していた。
また、日本人患者3名を含む別の試験では、臨床的症状の発症前の患者に対する有効性を支持する結果が得られた。日本人患者についても、有効性が得られるとともに、安全性上の懸念も認められなかった。
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