新型コロナウイルス治療薬として米ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」(製品名ベクルリー点滴静注液・点滴静注用)が7日、日本で特例承認されることがほぼ確実となった。厚生労働省は7日夕に薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で審議を求め、了承されれば、同日付で特例承認とする方針だ。2010年の新型インフルエンザワクチン2品目同時承認以来の特例承認となる。【ライター 設楽幸雄】
特例承認は、医薬品医療機器等法に規定されている制度で、▽国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延などの健康被害の拡大を防止するため、緊急に使用されることが必要な医薬品で、かつ他に適当な方法がない▽我が国と同等の水準の医薬品の製造販売承認制度を持つと認められる国で、販売、授与、またはその目的で貯蔵あるいは陳列することが認められている医薬品-の両者に該当する場合に、医薬品としての製造販売承認を与えるもの。
「レムデシビル」については、安倍晋三首相が国会などで特例承認とする考えを示していたもので、厚労省は、2日の医薬・生活衛生局長通知で、医薬品医療機器等法施行令の一部改正を行い、特例承認の対象に「新型コロナウイルス感染症に係る医薬品」を規定したことを示した。
また、我が国と同様の医薬品の製造販売承認制度を持つ国は、米英独仏とカナダの5カ国であることも規定した。
米国FDAが1日に、レムデシビルについて、「緊急時使用許可」として限定的な使用を認めたことを受けての対応だった。
ただ、ギリアド・サイエンシズも、緊急時使用許可はFDAの正式な承認ではないことを明確にしていた。
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