厚生労働省は27日、2型糖尿病薬として広く使用されているメトホルミン製剤の一部のロットの自主回収を、開発した大日本住友製薬と、そのジェネリック薬を出している日本ジェネリックが開始すると発表した。発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたためだ。両社とも、これまでに重篤な健康被害の報告はなかった。【ライター 設楽幸雄】
厚労省は、国内でメトホルミン製剤を製造販売している15社に対し、2019年12月9日に、メトホルミンの原薬とその製剤について、NDMA含有の有無を分析するよう指示していた。シンガポール保健科学庁が、メトホルミン製剤から1日許容摂取量(0.0959μg/日)を上回るNDMAが検出され、一部事業者が自主回収を開始したと発表したことを受けた措置だ。
ただ、シンガポール保健科学庁は、NDMAは1日許容摂取量を上回るもののごく微量で、回収対象となった製剤を短期間服用してもリスクは極めて低いとしていた。
このため、厚労省も12月時点では、製薬企業に分析を指示する一方、医療機関と患者に対しては、メトホルミン製剤を服用中止すると併発症などのリスクがあるとして、処方と服用を継続するよう促していた。
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