消費税増税に伴う診療報酬改定があった2019年10月の医療費は、前年同月比0.3%減となった。4-9月平均が3.3%増だった中で、マイナスに転じた。また、1日当たり医療費は4.4%増で、4-9月の2.4%増を大きく上回ったが、入院1日当たり医療費は4-9月の2.2%増から1.4%増に縮小した。厚生労働省の最近の医療費の動向によるもので、消費税改定後も病院の補填不足が解消されていないとの福祉医療機構調査を裏付けるデータとなっている。【ライター 設楽幸雄】
19年10月の消費税増税対応診療報酬改定は、診療報酬本体が消費税引き上げ分を補填するために0.41%引き上げ、一方、薬価は実勢価などによる改定が0.93%引き下げ、消費税対応分は0.42%引き上げで差し引き0.51%引き下げ、材料価格は実勢価改定が0.02%引き下げ、消費税対応分が0.06%引き上げで差し引き0.03%引き上げだった。
この診療報酬本体と、薬価引き下げ、材料価格引き上げとの差し引き、つまり実質改定率は0.07%引き下げだった。
その結果、10月の医療費は0.3%減となった。ただし、平日数が前年と比べて1日少なかったことがマイナスに影響しており、日数補正後の伸びは2.8%増とプラスになる。
しかし、日数補正後も、4-9月は4.4%増と高い伸びだった中で、10月は1.6ポイント縮小して2.8%増となった。
10月の伸びの落ち込みは、日数の影響によるものではないことを示すデータだ。
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