文部科学省の作業部会は17日、東日本大震災の被災地の住民の遺伝子情報などを集めたバイオバンクを構築し、個別化医療などの実現を目指す東北メディカル・メガバンク(TMM)計画に関する事後評価票の素案をおおむね了承した。素案では、この計画について、被災地住民の健康管理にも貢献するなど社会的な意義がある上、最大で約15万人分のゲノム情報が日本人の「健常人コントロール」として既に利活用されており、必要性は非常に高いと指摘。「当初の事業目標は十分達成された」と評価している。【松村秀士】
事後評価票の内容を固めたのは、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会のライフサイエンス委員会の下部組織「次世代医療実現のための基盤形成に関する作業部会」。2020年度に事業が終了するTMM計画の事後評価や、今後の計画の在り方などを検討するために設置された。
文科省がこの日の作業部会に示した「事後評価票」の素案では、この事業で構築されたバイオバンクや情報基盤などは科学的・技術的な意義を有しており、今後の日本での個別化医療・予防の実装に向けて基盤的な役割を果たすことが期待されるとしている。また、被災地域の住民の健康管理にも貢献するなど、社会的意義もあると強調。
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