サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などへの住み替えや住宅改修を通じて、早期に住環境を整えることで要介護状態になる時期を遅らせ、高齢者が主体的な生活を送る期間を延ばすことにつながる-。こうした期待から国土交通省では、改修や住み替えに関する情報発信を強化し、相談窓口を整備拡充するべく検討を進めている。このほど開催した「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」で、政府が定める「住生活基本計画」の5年に1度の見直しに向けて、高齢者向け住宅の整備目標に対する進捗や現状における課題認識を示した。【吉木ちひろ】
懇談会で国交省の川野宇宏・安心居住推進課長が議論を促したのは、国が住宅政策の方向性について示す「住生活基本計画」(計画期間2016-25年)に位置付けられている、高齢者向け住宅(サ高住、シルバーハウジング、軽費老人ホーム、有料老人ホーム)の整備目標について。
計画では、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合を14年時点の2.1%から25年までに4%に引き上げることを定めている。高齢者が住んでいる住宅への手すりの設置や屋内の段差解消を行う「一定のバリアフリー化率」の目標数値は25年までに75%。
そこで、同省は、住宅のバリアフリー化の推進や高齢者向け住宅の供給に関する施策を進めてきたが、高齢者向け住宅への住み替えや改修は十分に進んでいない=グラフ=。
国交省が懇談会で示した資料より(以下同様)
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