中国湖北省の武漢市から新型コロナウイルス感染症の患者が断続的に報告されていることを受け、国立感染症研究所は22日、感染を疑う患者の検体採取・輸送マニュアルを公表した。検査に必要な検体の種類や採取時期、検体の採取時の留意点、検体の輸送方法などを紹介している。【松村秀士】
マニュアルでは、新型コロナウイルスに関する検査を実施する際は、そのことを患者(代諾者)に説明した上で、できるだけ多くの種類の検体を確保するよう求めている。
検査で必要な検体は、上気道由来検体(咽頭拭い液)で、できる限り採取することを勧めているのは、下気道由来検体(喀痰、または気管吸引液)や急性期血清、回復期血清。可能であれば採取することを勧めているのが、全血(EDTA加血、ヘパリン不可)や尿、剖検組織。これらのうち、発病後5日以内のできるだけ早い時期の採取を求めているのが、▽上気道由来検体(咽頭拭い液)▽下気道由来検体(喀痰、または気管吸引液)▽急性期血清▽全血(EDTA加血、ヘパリン不可)-の4種類。
検体採取時の留意点としては、上気道由来検体の場合、滅菌の綿棒で後鼻腔または咽頭を十分に拭い、綿棒の綿球部分のみ(ハサミで切断する)を1mLのウイルス輸送液(入手できない場合は生理食塩水)が入った滅菌スピッツ管に入れて蓋をし、パラフィルムでシールする。その際、複数の部位から検体を採取することが望ましい。
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