中央社会保険医療協議会は15日の総会で、2020年度診療報酬改定に関する議論の整理案を了承した。これまで診療側が反対していた、薬剤適正使用のための使用ガイド付き医薬品集(フォーミュラリ)の作成への評価は見送られた。支払側は、20年度改定案の答申に関する附帯意見にこれを盛り込むことを求めたが、診療側が反対の姿勢を示した。厚生労働省は同日から22日まで、議論の整理に関する意見を募集する。【松村秀士】
整理案は、▽医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進▽患者・国民にとって身近であり、安心・安全で質の高い医療の実現▽医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進▽効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上-の4つが柱。10日の前回の総会で、ほぼ固まっていたが、使用ガイド付き医薬品集の作成への評価が盛り込まれていなかったことから、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)がその導入の必要性を強調した。一方、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)らは導入すべきではないとし、意見が対立。厚労省保険局の森光敬子医療課長がその対応を、田辺国昭会長(東大大学院法学政治学教授)と相談するとしていた。
15日の総会で厚労省が改めて示した整理案には、前回の指摘を踏まえて幾つかの修正箇所があったものの、フォーミュラリに関する記載はなかった。
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