2020年度調剤報酬改定の議論では、医療機関と薬局との連携も重要テーマです。
かかりつけ薬剤師・薬局にとって、患者との関係性の強化は必須ですが、処方元などの医療機関との関係を強め、情報共有をしていくことも不可欠でしょう。中央社会保険医療協議会(中医協)・総会での議論でも、そのような姿が浮かんできます。【大戸豊】
■かかりつけ医の処方薬の一元管理を薬局が担う
昨年11月15日の中医協・総会では、複数の医療機関を受診する患者について、重複投薬を解消する観点から、かかりつけ医が重複投薬について他の医療機関との連絡・調整等を行う取り組みを議論しました。診療側と支払側ともに基本的に了承しました。
一人の患者が複数の医療機関を受診し、同じ薬効の薬をそれぞれ処方されていれば、その患者は通常の倍の量を服用する可能性があります。副作用や相互作用を考えれば危険です。重複投薬を防止するためにも、1カ所で薬をもらい、飲む薬の全てを一括管理することが求められます。
お薬手帳も重複投薬を防ぐ上で効果的ですが、複数のページの確認が必要だったり、後発医薬品の名前は、先発品とは異なるので、確認するには後発品の一般名と先発品の銘柄名の両方の知識が必要です。さらに、重複投薬かどうかを判断するにも、処方背景の確認が必要な場合もあります。
かかりつけ医の処方薬一元管理を薬局が、新たな連携評価
かかりつけ医を評価する診療報酬には、地域包括診療料・加算などがあります。要件には、患者が通院中の医療機関と処方薬の全てを管理することなどがありますが(お薬手帳の持参も含む)、厚生労働省は、処方薬の全てを管理するといった要件は、診療所の負担が大きいとする調査結果を示しています。
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