昨年12月4日と18日の中央社会保険医療協議会(中医協)・総会では、かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む対人業務について議論されました。
厚生労働省は、調剤の対人業務の評価について、4つの新項目を提案し、「喘息患者・COPD患者の吸入指導」と「簡易懸濁法の指導」は了承されたものの、「糖尿病患者に対する調剤後のフォローアップ」と「血液検査結果の活用による処方内容の変更」については了承を得られませんでした。【大戸豊】
■生活圏内の薬局を繰り返し利用してもらう
今回示された論点の一つに、患者に「行きつけの薬局」を決めてもらうよう促す「同一薬局の利用」があります。これは、かかりつけ薬剤師・薬局の推進とパラレルな関係です。
“対物業務から対人業務へのシフト”は、患者と顔なじみになり、相談をしてもらえるようになって、薬局が医療機関などと連携して健康管理の一翼を担い、危険な兆候があれば、すぐに医療機関への受診を勧めることも一つの目的といえます。健康管理がうまくいき、入院などを防げれば、医療費も減る可能性があります。
厚労省としても、「対人業務をしっかりやらなければ、お客さんが集まらないよ」などと薬局に競争を促したいのかもしれません。
12月4日の中医協・総会では、厚労省は同一の薬局を利用した場合、患者の費用負担が低くなる期間を短縮する提案をしました。
現行のルールでは、例えば3つの薬局を利用する患者が、その1つの薬局に6カ月のうちに再来局するならば(お薬手帳を持参)、薬剤服用歴管理指導料※は41点で済みます(それ以外の患者は53点)。この期間が患者の「同一薬局の利用」のインセンティブになっていないことから、短縮しようというものです。
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