【横浜市立大大学院国際マネジメント研究科 准教授 黒木淳】
「師が走る」といわれる言葉の通り、早いもので気が付けば今年もあっという間に年末である。
大学ではこの時期、卒業論文提出のシーズンで、本学では他大学よりも少し早く、12月18・19日が締め切りであった。無事に担当する10名の学生全員が提出を終えることができたが、10本の卒業論文のうち、8本がデータを何かしら用いる定量的な方法論を採用しており、文献レビューやインタビュー調査のみで卒業論文を提出していた10年前とは時代が変わったものである。
特に今年は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やIT(インフォメーション・テクノロジー)など、新しい技術について学生から関心を寄せられていた。これらの技術は若者に親和性があることから、未来の社会において若者から業務の革新が起こるだろうと感じられる。教員としては、学びを深めていく機会に接することができ、うれしく思う半面、会計学者としても常にさまざまな新しい物事を学んでいくことが必要な自身の姿勢を問われているように感じる。これはおそらく、教員としての私だけに必要なことではなく、病院管理者も同様に、世代間ギャップは良くも悪くも存在することは認めながらも、常に学ぶ姿勢が求められるのかもしれない。
さて年末は、このような年度の締めくくりの準備をするとともに、来年度に向けた準備の時期でもある。各病院では予算編成、あるいは事業計画の編成が進められていると思われるが、大学にとっても来年度の計画を検討するとともに、病院管理者養成に向けたプログラムや、その先の構想などについて考えている。
この数カ月は、本学の病院管理者養成に関する履修プログラムについて来年度の募集を11月に行っていたため、履修希望者の面接を数多く行った。また、既存の履修生15名からの中間プレゼンテーションなどもあり、それらの経験から現在、病院でどのようなことが問題となり、それに対してどのような対策を講ずることができるかについて、私見を述べたい。
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