【合同会社アグリハート 代表社員 木村佳晶】
現在、2021年度介護保険制度改正について、社会保障審議会・介護保険部会で議論が取りまとめに向かっているが、通所介護事業所にとっては、さらにその先にある24年度改正に目を向ける必要がある。
今後の介護保険制度や社会保障制度の流れに鑑みると、通所される利用者の自立支援や重度化予防に視点を向けて注力することが、当たり前にできている事業者であることが求められる。そこからさらに改革が必要なのは、利用者を支える介護スタッフの満足度を徹底的に高めることである。そのためには、より確度の高い成果(アウトカム)を利用者と共創・共有する仕組みの構築が重要だ。経営層だけでなく現場を含めた事業所全体として、高い次元でこのような意識を持つことが生命線となる。
21年度改正に向けた議論の一つに、要介護1、2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す案が出ている。これについては慎重論も多くあり、始まったばかりの総合事業の整備状況などに鑑みながら、次期改正では現行制度のまま進めるが、将来的には移行する方向性で議論が進んでいくものと推測される。
そこで、要介護1、2の総合事業移行が近い将来行われた場合、通所介護事業所では要介護3以上の利用者が対象となり、より重度者への対応が求められてくる。通所介護事業所の目的は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の、孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などとされている。
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