12月6日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会では、2020年度の調剤報酬改定に向けた議論が出そろいました。今回「とことん調剤報酬」と題し、改定の背景や3回の議論をまとめ、今後の動向を考えます。【大戸豊】
■門前薬局や大型チェーンの適正化はどこまで進んだ
薬局関係者の方以外にも、今回の議論についてお伝えしたいので、まずは薬局や薬剤師の状況を振り返ります。
全国の薬局数は約5.9万軒(17年度)で、約5.6万店のコンビニを上回ります。コンビニは大手3社に集約していますが、薬局の場合、7割以上が19店舗以下の小規模経営です。
薬局は、処方箋を多く集めるほど、売り上げが伸びます。
立地も、「診療所前/モール内」が58.1%、「中小病院前」が12.8%、「大病院前」が5.1%を占めています。これは病院や診療所の前にある「門前薬局」ほど、処方箋が集まりやすいことを示しています。これまでは、良い場所を確保し、1つの医療機関に密着しさえすれば儲かる構造でした。裏返せば、薬局が患者サービスの向上につなげるインセンティブを持たなかった一因ともいえます。
薬局の立地状況(開局規模別)
中央社会保険医療協議会・総会資料より(以下同様) (残り1705字 / 全2215字)
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