厚生労働省は6日の中央社会保険医療協議会・総会で、病床規模の大きい病院が地域包括ケア病棟を届け出る場合、事前に「地域医療構想調整会議」で協議して意見を求めることを要件とすることを、2020年度診療報酬改定に向けた論点に挙げた。地域包括ケア病棟の施設や病床の数が年々増えていることや、許可病床数の大きな病院での自院内での転棟・転室の実績などを踏まえた提案だが、委員からは、調整会議での議論が活性化されていないことから、「時期尚早だ」との指摘や、その会議の実効性を疑問視する意見が出た。【松村秀士】
厚労省によると、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の届出施設・病床数は近年、増加傾向にある。
中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」の18年度の調査では、地域包括ケア病棟の入棟元は、許可病床数が大きい病院ほど「自院の一般病床(地域一般、地ケア、回リハ以外)」の割合が多い一方、「他院の一般病床」の割合が少ないことが分かっている。そのため、同分科会で、自院での転棟割合が高い医療機関については地域での医療機能の分化を適切に進めるべきだとの意見が出た。
こうした状況を踏まえ、厚労省は6日の総会で、特に許可病床数が大きい医療機関が地域包括ケア病棟を届け出る場合、そのことについて「地域の意見」を求めることを、要件化することを提案した。「特に許可病床数が大きい医療機関」として、厚労省は400床以上の病院を想定している。
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