【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
厚生労働省は11月13日、2018年度の「医療経済実態調査」の結果を公表しました。医療法人が運営する病院は、利益率2.8パーセント、国立がマイナス2.3パーセント、公立病院がマイナス13.2パーセントと、非常に厳しい経営状況が続いております。特に、労働集約型産業である医療は、以前から続く人材不足に加え、昨今の社会的課題である働き方改革の影響を大きく受け、年々人件費は膨らみ続けています。
厚労省は、「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で、「医師労働時間短縮計画」のガイドラインを作成することや、地域医療確保暫定特例水準の指定の枠組みなどについて議論しています。10月18日の中央社会保険医療協議会・総会では、医療機関の働き方改革について診療報酬で評価することを論点に挙げるなど、雇用環境改善に向けた整備を求めていますが、診療側と支払側に隔たりがあり、20年度の診療報酬改定に間に合うかは不透明です。
さて、働き方改革のために、医療機関にはどのような改革の道があるでしょうか? 現状の医療体制を維持したまま、「正職員」「非正職員」の雇用拡大により対策をする医療機関や、提供医療の再編や効率化による改革などがあるでしょう。医療機関がどちらに進むにしろ、医療界全体の雇用体制が改善される流れから取り残されれば、人材が流出しやすい医療機関となることは想像に難くありません。
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